【妊娠初期・中期・後期の不正出血】11の妊娠中に考えられる出血原因と危険性について
今日は、妊娠中の出血について、考えられる原因をご紹介します。
妊娠中の出血原因
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異所性妊娠(子宮外妊娠)
少量~大量出血。初期では出血がないこともあります。
放っておくと危険!!早めの手術が必要です。
受精卵が子宮内ではなく、卵管などの子宮外に着床してしまった状態です。
妊娠検査薬で妊娠を知った人は、子宮内にきちんと着床しているか病院で診察してもらいましょう。
卵管妊娠の場合は8~10週で破裂してしまうことが多いので、その頃までに処置を行わないと、卵管破裂を起こし、気が遠くなるほどの痛みを感じることになります。
少量~大量の出血。
初期流産の原因は主に胎児の染色体の問題で起こってしまうことがほとんどです。
12週未満の流産。ごく初期は出血だけの場合もあり、生理と勘違いすることもあるようです。
6~7週目以降は生理痛のような痛みを伴うことが多く、突然の多量出血がみられることも。進行がが止まらない場合は胎児側の原因であることがほとんどです
。胎児心拍があり、発育が認められ出血量が少なければ切迫流産の可能性があります。切迫流産の場合は安静に過ごしましょう。
私も初期流産を経験しています。症状は1日だけの出血でした。身体に負担がかかる前に早めの受診をおすすめします。
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絨毛膜下血腫
少量~大量の鮮血
診察で血腫の大きさを診てもらいましょう。
絨毛膜下血腫ができる原因は、できつつある胎盤の絨毛という組織が子宮内膜に根を伸ばしていく際、子宮内膜の血管が壊されて出血します。
血腫が大きいと流産に移行することがあるので、早めに診察をしましょう。
超音波検査で心拍が確認でき、胎児に異常がなければ、妊娠継続できます。
この場合は5ヵ月頃までには血腫が吸収されて、出血はおさまります。
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胞状奇胎
少量の出血がだらだら続く。暗赤色のおりもののような出血のことも。
超音波検査で早めの診察を。
胞状奇胎とは胎盤を作るための絨毛という組織が異常に増殖して、子宮内に充満してしまう病気です。受精卵の遺伝子の異常が原因で、妊娠の継続が難しく、絨毛ガンになってしまうリスクもある病気です。異所性妊娠(子宮外妊娠)と同じく妊娠検査薬で妊娠をわかった方は早めの受診を。出血の他にhcgホルモンの大量分泌により、重いつわりの症状が出るのが特徴です。
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後期流産
少量~大量の出血。出血がないこともあります。
主に母体側の異常で起こってしまうようです。
妊娠12週以降、22週未満の流産のことで、原因は感染症や自己免疫性疾患、子宮の奇形など、母体側にあることが多いようです。流産は全妊娠の10~20%に起こりますが、ほとんどが初期流産(流産の80%)で、後期流産は割合が少なく流産の20%といわれています。妊婦さんの普段の行動や不注意によっておこるものではないので、自分を責めないでくださいね。
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月経様出血(着床出血)
月経と同じような量と色。自然におさまっていく。
月経と似た出血が少量、数日間続きます。着床出血という人もいます。受精卵の着床は受精後6~7日頃から始まり12日頃に完了するため、生理が28日周期の人であれば、生理予定日の1週間~数日前に起こることが多いようです。特に処置の必要はありませんが、長く続いたり出血が多いようでしたら、自己判断せず診察を受けましょう。
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子宮膣部びらん
おりものに血が少量混じる程度。色はピンク~茶褐色
膣の表面がただれていることによる出血
膣の表面の粘膜に起こる【びらん】とは肉眼的には赤く、表面がただれている状態のことをいいます。子宮頚部の粘膜が膣のほうに突出しているときもびらんということもあるそうです。特に病的な状態ではなく成人女性の80%に見られます。炎症を起こさなければ、ほとんどのケースで治療は不要で経過観察します。
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膣炎、頸管炎
おりものに血が混じる程度。色はピンク~茶褐色。
妊婦さんはかかりやすいもの。治療が必要。
細菌感染などによって膣や頸管が炎症を起こしており、性器にかゆみをともなうことがあります。クラミジア感染など、放っておくと早産の原因になったり、出産の際に胎児に感染したりするので治療が必要です。
妊婦さんは抵抗力が落ちておりかかりやすいと言われます。飲み薬や軟膏、膣剤などの治療をします。
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子宮頸管ポリープ
少量でおりものに血が混じる程度。止まることもあるが続くことも。
出血が続くようならば手術が必要。
妊娠全期間を通して起こります。子宮頸管ポリープは子宮と膣を結ぶ子宮頸管という部分にできる良性の腫瘍です。大きさは米粒大から親指大まであり、ほとんどが1つですが、まれに複数あることも。出血以外はとくに症状はありませんが、出血が続く場合、胎盤が完成する4ヵ月以降、医師の判断で切除手術を行うことも。
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前置胎盤
症状があらわれるのは、多くが妊娠28週以降です。
普段とは違う不正出血があれば、すぐに産婦人科を受診しましょう。
子宮をふさぐ位置に胎盤ができ、24週頃以降そこから
突発的に出血し、その後たびたび出血します。痛みはなく超音波検診ですぐにわかります。
だいたいの方が妊娠37週末までに帝王切開で出産します。(胎児の様子を見て、早めに帝王切開になる場合もあります。)
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胎盤早期剥離
胎盤がなんの前触れもなく剥がれてしまう状態で母子ともに危険が高い状態です。
性器出血がありますが、おなかの中ではもっと大量に出血しており、産科の代表的な救急疾患です。
軽度の場合は不正出血や腹痛などの自覚症状もなく、胎児もモニター上では異常が見つからないため、診断が困難な場合もあります。
重度になると動けない程の下腹部痛で、お腹硬くなり、不正出血、胎動はなくなる場合や弱まったりします。
軽症以外の方は多くの場合、急ぎで緊急帝王切開になります。
一部剥離が起きていても、胎盤が正常に機能している場合は、入院して安静にします。
赤ちゃんの誕生準備がほぼ整ったら分娩を誘発し出産します。胎盤が正常に機能していなければ緊急帝王切開が行われます。
病院で診察を受けましょう。
今回は妊娠中の考えられる出血について記載しました。
妊娠中の出血はとても不安になりますよね。。。
不安なときは自己判断せず、早めに診てもらいましょうね。そしてできるだけ安静にしてください。
もし出血してしまったら、
量はどのくらいなのか?色は?形状は?(さらさらか、粘性があるのか、塊が混ざっているなど)
また、いつから出血しているか、お腹の張や痛みはあるか、その他吐き気などの別の症状はあるかなど、を病院で伝えましょう。